旧基準省令(平成4年12月21日付厚生省令第69号)の公布から概ね10年が経過し、WHOにおいても飲料水水質ガイドラインの改訂が進んでいることや、全国的ではなく地域的な問題でも人の健康に関して重要な項目が水質基準から欠如していたため、水質基準項目が「46項目」から「50項目」へと変更になり、平成16年4月1日より施行となりました。その後も逐次改定され、現在は平成26年4月1日に改正施行されたものとなっております。
水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成15年9月17日付厚生労働省令第140号)により、検査項目、検査方法が改正されました。
内容は、水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の上欄に掲げる事項について、同令に規定する厚生労働大臣が定める方法(公定法)により検査を行うことになりました。
水源において水質が最も悪化している時期(降雨、降雪、洪水、渇水時期等)に、1年以内ごとに1回、取水地点における水道原水に係る水道水が満たさなくなる恐れがあるとされているものに係る事項(総トリハロメタン、クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ホルムアルデヒド、塩素酸、臭素酸及び味を除く39項目)について、水質検査を行わなければなりません。
また、必要に応じて水質管理目標設定項目等についても検査を実施しなければなりません(規則第3条・平成15年10月10日付健水発第1010001号[一部改正 平成21年3月6日付健水発0217第1号])。
水道法施行規則の一部を改正する省令(平成15年9月29日付厚生労働省令第142号)により、水質基準項目毎の採水の場所、検査頻度並びに検査省略可能項目について規定されました。
また、検査頻度や省略項目についてその理由等を記載する水質検査計画を事業年度の開始前に作成し、水道の需要者に対して情報提供すること等についても規定されています。
水道法施行規則第17条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める遊離残留塩素及び結合残留塩素の検査方法が平成15年9月29日付厚生労働省告示第318号により、公定法となりました。
厚生労働省健康局長より平成15年10月10日付健発第1010004号[一部改正 平成22年2月17日付健発0217第1号]として通知されました。
水質基準に係る検査に準じて、水道水質管理上留意すべき項目として「水質管理目標設定項目」27項目の検査方法及び目標値が別添1として定められました。これにより、従前の「水質基準項目」、「快適水質項目」、「監視項目」、「ゴルフ場使用農薬に係る暫定水質目標」という水道水質管理の体系は廃止され、「水質基準項目」及び「水質管理目標設定項目」という新しい体系に変更されました。
水質管理目標設定項目のうち農薬類について、検出指標値が1を超えないこととする「総農薬方式」として規定されました。別添2として120項目の農薬の検査方法及び目標値が示されました。
厚生労働省健康局水道課長より平成15年10月10日付健水発第1010001号[一部改正 平成21年3月6日付健水発第0306002号]として通知されました。上記健発第1010004号の施行に当たっての留意事項と水道水質管理に関する基本的留意事項について記載されています。主なものを下記に示します。
・ 給水開始前の水質検査は全項目検査及び残留塩素の検査を行うこと。
・「鉛及びその化合物」に係る検査に供する水の採取方法について。
・ 検査の省略を行った場合であっても、3年に1回程度は省略した項目についても水質検査を行うこと。
・ 水源の原水について、水質が最も悪化していると考えられる時期を含んで少なくとも年1回は総トリハロメタン、クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ホルムアルデヒド、塩素酸、臭素酸及び味を除く39項目について検査を実施すること。
別添1 新水質基準項目等の検査における、給水栓以外での採取の可否、検査の回数、検査省略の可否
別添2 浄水に係る水質検査結果書及び原水に係る水質試験結果書
別添3 水質異常時の対応について
別添4 水質管理目標設定項目の検査方法
別添5 水質基準項目の測定精度
検査期間は以下のとおりです。
51項目は、 土日、祝祭日を除いて、約10日間
39項目は、 土日、祝祭日を除いて、約10日間
9項目は、 土日、祝祭日を除いて、約 5日間
番号 | 検査項目 | 全項目 浄水 |
全項目 原水 |
省略不可能 項目 |
消毒副 生成物 |
---|---|---|---|---|---|
51項目 | 39項目 | 9項目 | 12項目 | ||
1 | 一般細菌 | ○ | ○ | ○ | |
2 | 大腸菌 | ○ | ○ | ○ | |
3 | カドミウム及びその他化合物 | ○ | ○ | ||
4 | 水銀及び化合物 | ○ | ○ | ||
5 | セレン及びその化合物 | ○ | ○ | ||
6 | 鉛及びその化合物 | ○ | ○ | ||
7 | ヒ素及びその他化合物 | ○ | ○ | ||
8 | 六価クロム化合物 | ○ | ○ | ||
9 | 亜硝酸態窒素 | ○ | ○ | ||
10 | シアン化物イオン及び塩化シアン | ○ | ○ | ○ | |
11 | 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | ○ | ○ | ||
12 | フッ素及びその化合物 | ○ | ○ | ||
13 | ホウ素及びその化合物 | ○ | ○ | ||
14 | 四塩化炭素 | ○ | ○ | ||
15 | 1,4-ジオキサン | ○ | ○ | ||
16 | シス-1,2-ジクロロエチレン及び トランス-1,2-ジクロロエチレン |
○ | ○ | ||
17 | ジクロロメタン | ○ | ○ | ||
18 | テトラクロロエチレン | ○ | ○ | ||
19 | トリクロロエチレン | ○ | ○ | ||
20 | ベンゼン | ○ | ○ | ||
21 | 塩素酸 | ○ | ○ | ||
22 | クロロ酢酸 | ○ | ○ | ||
23 | クロロホルム | ○ | ○ | ||
24 | ジクロロ酢酸 | ○ | ○ | ||
25 | ジブロモクロロメタン | ○ | ○ | ||
26 | 臭素酸 | ○ | ○ | ||
27 | 総トリハロメタン | ○ | ○ | ||
28 | トリクロロ酢酸 | ○ | ○ | ||
29 | ブロモジクロロメタン | ○ | ○ | ||
30 | ブロモホルム | ○ | ○ | ||
31 | ホルムアルデヒド | ○ | ○ | ||
32 | 亜鉛及びその化合物 | ○ | ○ | ||
33 | アルミニウム及びその化合物 | ○ | ○ | ||
34 | 鉄及びその化合物 | ○ | ○ | ||
35 | 銅及びその化合物 | ○ | ○ | ||
36 | ナトリウム及びその化合物 | ○ | ○ | ||
37 | マンガン及びその化合物 | ○ | ○ | ||
38 | 塩化物イオン | ○ | ○ | ○ | |
39 | カルシウム、マグネシウム等(硬度) | ○ | ○ | ||
40 | 蒸発残留物 | ○ | ○ | ||
41 | 陰イオン界面活性剤 | ○ | ○ | ||
42 | (4S,4aS,8aR) ーオクタヒドロ−4,8a −ジメチルナフタレン−4a(2H)−オール(別名ジェオスミン) | ○ | ○ | ||
43 | 1,2,7,7−テトラメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−オール (別名2−メチルイソボルネオール) | ○ | ○ | ||
44 | 非イオン界面活性剤 | ○ | ○ | ||
45 | フェノール類 | ○ | ○ | ||
46 | 有機物(全有機炭素(TOC)の量) | ○ | ○ | ○ | |
47 | pH値 | ○ | ○ | ○ | |
48 | 味 | ○ | ○ | ||
49 | 臭気 | ○ | ○ | ○ | |
50 | 色度 | ○ | ○ | ○ | |
51 | 濁度 | ○ | ○ | ○ |
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